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聴雨庵

リフォーム

北澤 和典

2019.03.12
池上梅園茶室 聴雨庵 東京にある池上梅園 ここに建つのは聴雨庵。 政治家、藤山愛一郎所有の茶室です。この茶室を移築したのが・・・ここに居ます北澤です。父と藤山さんとは友好関係があり『北澤さんならこの茶室を移築できるだろ』と頼まれたそうです。東京都大田区に藤山さんが寄付するとなると半端な茶室ではない事はわかっていました。移築工事が着工の時は、大工総出で現場に向かいました。私も大工の修業時代なので気を引き締めて現場へ行ったことを思い出します。 茶室の外回りは痛みも酷く補修しながら全てをバラバラに解体していくわけです。天井の板1枚も今では数の少ない無垢板で板目も鳥の羽のように綺麗な天然の模様があり貴重な物だという事は一目でわかります。それを1枚、1枚傷がつかないように剥がしていくのです。屋根の瓦も、柱、根太、大引き、基礎や雨戸も全てです。梁もホゾで接合ざれているのですが単純なものではなく、箱根のからくり箱の様になっていて順番を間違えると最後で手詰まりとなるわけです。上下に梁を持ち上げれば抜けるのではなくネジリあげたりこねる様な仕組みになっています。組み立てると釘や金物が無くとも強固な接合部となるように仕事されているのです。宮大工の祖父の下で修業した叔父たちは手際よく材料を外していきます。『叔父のしたで修業できてよかった』心から思った時でした。 まだデジカメも無かった時代です。一眼レフで数千枚にも及ぶ現場写真ができました。材料1つ1つに番号を付けて写真をとり記録します。解体した材料を毛布やダンボウルに包み池上梅園へと運びます。池上梅園では逆の工程になるわけです。この仕事に携わり毎日が今は無き大工の木との対話を想像し木を読み仕組みを知る虎の巻を見ている様な日々でした。 また時間のある時に桜の花でも見ながら自分が手掛けた茶室を見に行こうと思います。まだ若かった大工時代。昔の自分を見れそうで楽しみでもあります。 お時間のある方は是非池上梅園へ!。綺麗な空間の広がるとこです。

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