スタッフブログ

旧吉田茂邸を測る

カテゴリなし

矢口 順一

2025.12.16

身の回りの空間や家具などを測ることで
空間のスケール感が身に付き、寸法の持つ意味も改めて考える。

これは「測って描く旅」(著書:浦 一也)

という著書の考えを参考に、コンベックスを手にあらゆるものを測りながら
旅をしていろいろと測ってみたのでご紹介します。

今回訪れたのは、大磯の旧吉田茂邸。

サンフランシスコ講和条約を締結したことなどで有名な吉田茂。

戦前に外務官僚。 戦後通算7年ほどにわたって内閣総理大臣を務めた著名な政治家です。

晩年を過ごした邸宅が大磯にあり、大磯町郷土資料館の別宅として一般公開されています。

数寄屋檜造り建物は、建築家 吉田五十八、京都 宮大工により建築されました。

階段の途中にある窓に注目すると

引違窓 召し合わせ(障子が重なる部分)で階段踏み板から窓枠下端まで1m、鍵まで1.2mの高さ。

右側の窓は一段下がった階段の踏み板から障子の取ってまで1.33mほど。

文章と写真だけでは伝わりにくいとは思いますが、

窓の施錠がしやすく、一段下がって右の障子も開けやすく、召し合わせから

一段上がった左側からも掃除がしやすい高さに設計されていると思いました。

現在の住宅は照明器具のスイッチは、人間工学の観点からも床から1.2mが一般的。

ファミリー向けの子どもが操作しやすい高さやバリアフリーを考慮に1mという高さも見かけます。

当時明治17年に建てられた建築物の「操作や掃除のしやすい高さ」は、

現在の一般的な高さの基準になっているかもしれません。

140年前からのデザインの知恵は、想像するに当時の建築家から伝わって

何度か失敗を繰り返して

精度に磨きをかけて徐々に当たり前のサイズや寸法に変化して現在に至り、

材料や技術の発展があるなか

昔と変わらない比率や黄金比も知ると日々の生活に取り入れたくなります。

Category

アーカイブ