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長期金利変動幅の拡大が住宅ローンに与える影響とは?

家づくりにまつわるお金

スターホーム広報室

2023.01.16

昨年末、衝撃的なニュースがありました。

日銀は金融政策決定会合で、異次元緩和策を10年目にして転換する方針を決定。長期金利の変動許容幅を0.25%程度から0.5%程度に拡大し、事実上の利上げに踏み切った。

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この報道に伴い、にわかに話題に上がったのが「住宅ローンが組めなくなってしまうのではないか?」ということです。

これから住宅ローンを組む予定の人は知っておきたい、このあたりの情報を解説していきます。

目次

  • 長期金利とは
  • 変動幅が拡大されるということは
  • ・住宅ローンは組める?組めない?

長期金利とは

大前提として、金利とはお金を借りるときの対価です。

そして、金利は状況により上がったり下がったりします。

例えば、AさんがBさんにお金を貸すとします。
①Bさんの他にもAさんからお金を借りたい人がいれば、高い金利を払ってでもお金を借りたいので金利が上がります。(需要の増加)
②同じように、Aさんからしかお金を借りることができない状況であれば、みんなAさんから借りるしかないので、金利が上がります。(供給の減少)

③一方、Aさん以外にもお金を貸せる人がいたとして「私の方がAさんよりお得にお金が借りられますよ」となれば、競争が生まれ、金利が下がります。(供給の増加)
④また、Bさんしかお金を借りたい人がいなかったら、もっといろんな人にお金を貸したくなるため、金利が下がります。(需要の減少)

そんな金利の中でも、長期金利とは、1年以上の金融資産の金利のことを言います。

金利も未来永劫固定されているわけではなく、景気などにより変動します。

長期金利は景気や需要供給のバランスなど、様々な要因が絡んで変化しますが、主な要因は


・景気
・物価
・為替
・海外の金利

が挙げられます。一つずつ解説します(いずれも金利上昇時の例です。金利下降時は逆の動きになります。)

景気
景気がいいと、人は消費意欲が増します。企業はそれに応えるべく、設備投資をしたり生産力を上げたりするため金融機関から借り入れを行います。その結果、借り手が増えて金利が上がるのです。

物価
物価が上がるとはつまりお金の価値が下がること。お金を持つよりものを持っていた方がいいと人々は考え、物を買うようになります。その結果、貯蓄といった資金の供給が減るため金利が上がります。

為替
円安ドル高の予想があるときは、手持ちの円をドルに換える人が増えるため、資金供給が減ります。そのため、金利が上がります。

海外金利
例えば、アメリカの金利が上がると、日本の投資家はアメリカの債券を買います。そうすると日本の債権の買い手が減るため、国内金利が上昇します。

変動幅が拡大されるということは

変動幅の拡大ということは事実上、「長期金利の利上げ」ということになります。

長期金利が事実上利上げとなり、最初に影響が出るのは「固定金利の住宅ローン」です。

固定金利の住宅ローンの金利は「長期金利」をもとに決められます。

これから固定金利で住宅ローンを組む予定の人は今一度ローンの組み方を見直してみてもいいかもしれません。(すでに組んでいる人は、固定期間中の金利は変わらないので焦る必要はありません)

住宅ローンにはもう一つ、「変動金利」という方式のローンがありますが、今回の長期金利の件のは直接的には関係ありません。(変動金利の金利は「短期金利」をもとに決められます)

とはいっても、未来永劫金利が上がらないとは言い切れません。日銀総裁の任期満了が迫っているため、もしかしたら金融政策が変わり、金利も動く可能性があるからです。

住宅ローンは組める?組めない?

組める、組めないで言えば、組むことは可能です。
しかし、ご自身のライフスタイルや資産状況によって、固定金利か変動金利かを判断する必要がありそうです。

まず、今回話題になっている固定金利は以下のようなメリットがあります。

毎月の返済額が、固定期間中は一定の為、資金計画が立てやすい
・期間中に金利が上昇しても、当初の金利が固定されているので慌てる必要がない 
  等

一方デメリットとして

・返済額が変動金利と比較して大きくなる傾向
・期間中に金利が低下しても、金利を変えられないため損することが   
・変動金利と比較し、金利が高い。現状、金利が上がる可能性大 等

一方、変動金利は以下のメリットがあります。

・金利が固定金利と比較して低い 等

デメリットとしては

・金利変動に伴い、返済額や期間が変わってしまう可能性があること(今後金利が上がる可能性もゼロではない)
・金利が上昇し続けると、利息分が賄いきれず、「未払い利息」が発生してしまう可能性が… 等

これらのメリットデメリット、そして今後の金融政策の動きを注視して、ローンの組み方や住宅計画の時期を判断していきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。
金融政策と住宅ローンの関係性をご紹介しました。

適正な住宅資金計画を立てるためにも、自分たちの資金状況やライフプランを見直したりしていく必要があります。

スターホームでは、資金計画作成のお手伝いができるスタッフやファイナンシャルプランナーをご紹介可能です。

ご希望の方は「資料請求・お問い合わせ」より「住宅資金相談をしたい」とメッセージをお送りください。PCのかたは画面上部、スマホの方は画面下部です。

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