スタッフブログ

経験が勝るんです

キャンプ

北澤 和典

2025.02.27

スターフォレストキャンプ葉山
当サイトは【なっぷ】にサイトを登録しています。
各キャンプサイトの口コミが書いてあるのですが今どきのキャンプ事情が分かります。
流しはお湯が出て当たり前、シャワー室完備、なんならサウナが完備されていたり。
トイレはウォシュレットがあたりまえ。
露天風呂があったりと至れり尽くせりのキャンプ場が多い。
とやかく言う我がスターホームが運営するキャンプ場もこの殆どが揃っています。
40年前に遡ってみましょう。自分が経験した事を書いてみます。

・川で体洗う?。3月じゃまだ寒くない?。2日ぐらい風呂入らなくても大丈夫(笑)。
・トイレ無いからスコップで穴掘らないとな・・・女子にどう説得する?。
・トイレ和式の水洗トイレだって!!マジか、ボットんじゃないの?素晴らしい。
・ビール売店で売ってるみたい、魚肉ソーセージもあったよ、カップ麺もあるってさ・・・まじか!最高!。
・寝袋(シェラフなんて言葉もしらない)アルバイトして買った・・・うおおぉ!ちょっと試させて!。すげ~~!・・・綿じゃん。数秒だけヒーロ感を味わえた。
・やばっ、栓抜き忘れた。俺に貸してみな・・・シュポ!っと木の枝で栓を開ける。

焚火は直火が当たり前で焚火シートなどない。焚火台なんてものも無い。
確かSnowpeakが考案したのが焚火台。
河原の石を拾って石に泥を塗って(石が煤で黒くならない)かまどを作って100均なんて
無かったからちょっとお高めの網を金物屋で購入して薪や炭で調理した。
鍋釜を置くのに鉄筋棒を石と石に渡して五徳。
網は捨てずに使うからところどころザビや穴がある。
今どきの100均より上部にできていた。
コールマンのガソリンランタンなんぞ持っていると物珍しく舶来のランタンを
煌々とつけて自慢したり・・・。川は天然の冷蔵庫。
若くお金の無い時代を過ごした自分は空き缶に植物性の油を入れて紐を芯にして
ロウソクの様に使ったりして楽しんでました。


箸なんか持って行かない。そこらの枝を削り箸にした。割り箸なんぞ持っていったら
先輩に甘ちゃんだなと言われ焚火の焚き付けにされる(笑)。
溶けたロウにマッチの頭を浸した防水マッチとアメ横で買った安い切れないナイフ。
叔父からもらった柄にヒビの入ったナタと鋸。振りかざすと先が後ろに飛んで行った。
近所の自衛隊のおじさんから貰った内幕(インナー)などないテント。
料理の匂いと湿気とカビの匂いが独特の雰囲気を醸し出していた。
虫や雨がテント内に入るからテント裾は穴を掘り埋める。
テントの周りには溝を掘り雨水が入らない様に二重に用心する。
コットンの分厚いテントで窓や網戸なんかついていない。
暑ければ裾をあげて入口を少しだけ開ける。いちいち紐で入口を纏めなければならない。
夏場は地獄で入口を少し開けていないとサウナ状態で寝られない。
蚊取り線香を近くに置いて、タバコの葉を浸した水を防御線の様に
テント周りに撒く。これでムカデが近寄らなくなる。
テント内は暑いからと外で蚊取り線香片手に寝ると体中虫の攻撃を受けて酷いことになる。
それが毎秒笑える楽しいと思えるキャンプ事情でした。
失敗や想定外の事が笑えるんです。

今では『不便を楽しむ』ではなく『便利で快適な空間を楽しむ』が支流。
ポータブルバッテリーやLEDランタンも増え、かなり安全なキャンプスタイルに
なってきたと思う今日この頃。
こんなのキャンプじゃない!っと言う人もチラホラ。
ワンタッチテントなんぞ傘じゃね?・・・っと。
だがしかし・・・使ってみると楽なんです(笑)。
ガソリンランタンはテントにも入れられないしポンピングやらマントルを作ったり
手間がかかる。設置するにも10分は最低掛かる。
そんな筆者もガソリンランタンは押入れの奥にしまい込み
今ではLEDランタンを使っている。
何よりも安全、明るいという優れもの。
ソロキャンは昔ながらのブッシュクラフトを楽しみ、2名以上は今流行りのスタイルというのも
良いかもしれません。快適に過ごせる空間でキャンプをするのも楽しいと思います。
キャンプにも色々なスタイルがあり拘りがある。
人それぞれのスタイルで楽しむのも面白いですよね。

ただ、昭和のキャンパーは一言言いたい。
ナイフ一本、シェラカップ1つ、マッチ1箱、タープ1張り、毛布1枚・・・これだけで2泊3日キャンプしてみてください。石がフライパンになり枝が五徳になり木の枝に生えた草がマットになったり、
サバイバルな生活が体験できるのです。調味料なんか持って行かない。
海から塩を作り魚は釣る。道端にノビルがあれば取って食べたり。
三ツ矢サイダーに松の葉を浸してジンジャエールだと飲んでみたり(結構うまい)。
焚火の炎の明るさがありがたく感じ火の温もりが優しく感じる。
友達に女子と焚火する時はこう言えと教えた。
『焚火を皆で囲んで最後に残った男女は必ず結ばれる』
そう言った友人はトイレに行ってくると言ったまま帰ってこなかった女性を2時間も焚火の前で待っていた。女性は車の中で寝ていたそうだ・・・。

キャンプは楽しい一面もありますが、万が一の時にも役立ちます。
災害がおこって何もなくても知恵と経験があれば生きる術を考える力が身に付くんです。
私はあえて子供達に不便を便利に変える方法と楽しさをサバイバルキャンプで教えました。
焚火の側にある物を触れば火傷をする。ナイフを使う時は気を抜かず扱わないと怪我をする。
寒い、暑いは皆同じ。大自然で生き抜くには工夫が必要な事。
家で使える電気や水がどれだけありがたいのかがわかる。
自分が動かないと食べる事も飲むことも出来ないという事。
川の水は熱して飲めばお腹をこわさない事。
最初は冷たい物が飲みたい、虫が嫌だ、寒い、暑いと泣き言を言ってましたが
帰りに『またキャンプする!』と言われた時は涙が出るほど嬉しかったです。
大人より子供の方が心から楽しめるかもしれませんね(笑)。

ひとつわかったことは知識より経験が勝るという事。
何ごとにも通じる事ではありますが経験する事、大切だと思います。

何事も1度は経験してみる。是非!!。
キャンプは危険との隣り合わせです。ご安全に。

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