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【すてきな建築家によるセミナー/対談】

2025.06.09

こんにちは、第一建築事業部の尾見です!

今回は、以前にも参加したことのある茅ヶ崎市美術館の企画展
『美術館建築 ― アートと建築が包み合うとき』のセミナー最終日に参加してまいりました。

なんといっても、私が一番楽しみにしていたのが、この特別なセミナー対談!

建築界を代表するお二人――
三分一 博志 氏坂 茂 氏 による個別のセミナー、
そしてお二人による対談という、豪華な三部構成!

約4時間にわたる濃密で贅沢な時間を、夢中で過ごしてきました。


◆ すてきな建築家のご紹介①:三分一 博志 氏

まずは、私が大好きな建築家のひとりである
三分一 博志(さんぶんいち ひろし)氏 についてご紹介させてください。

  • 風・光・水――自然の“見えない力”をカタチにする
  • 自然と共に“呼吸する”建築
  • 人が“自然とともに生きていること”を気づかせてくれる

三分一氏の建築に触れると、「ああ、風ってこんなに心地いいんだな」とか、「太陽の角度で、空間の雰囲気ってこんなに変わるんだ」といった、忘れかけていた感覚が蘇ってきます。
人間と自然がどうつながっているかを優しく、でも力強く伝えてくれる。
そんな温かくて深いメッセージを感じることができる建築です。

私が、三分一氏の建築との出会ったのは、以前訪れた「直島建築旅」がきっかけでした。
その際に実際に拝見したのが、「直島ホール」です。

この建築は、風の通り道を丁寧に計算し、自然の動きを“動く素材”として取り入れるという哲学のもとに設計されています。
また、入母屋屋根の佇まいも非常に美しく、周囲の自然環境と見事に調和しており、私はその魅力にすっかり引き込まれてしまいました。

当時はスケジュールの関係で、隣の島にある「犬島精練所美術館」まで足を運ぶことができなかったのですが、
今回のセミナーでは、その犬島精練所美術館についても詳しいお話を伺うことができ、大変興味をそそられました。

ぜひ近いうちに時間をつくって、実際に体験しに行きたいと思っています!
その際には、改めてこのブログでご紹介させていただきますね。


◆ すてきな建築家のご紹介②:坂 茂 氏

次にご紹介するのは、世界的にも高い評価を受けている建築家、
坂 茂(ばん しげる)氏です。

坂氏といえば、“人のための建築”を追求する建築家として、世界的に高く評価されています。
特に、紙の筒(紙管)を使った建築や、災害支援の仮設住宅で知られ、社会貢献とデザイン性を両立した唯一無二の建築スタイルを築いています。2014年に、建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を受賞。
「社会的弱者のために建築の力を使っている」と世界中から称賛されている建築家の方です。

下瀬美術館(Simose Art Museum)

坂氏の建築には、豪華な装飾よりも「人の役に立つかどうか」が大切にされており、身近な素材、たとえば紙や木、再生可能な資材を使って、環境に優しく、持ち運びやすく、再利用可能な建築を実現されています。さらに、被災地に仮設住宅をつくるときも、現地の人々と一緒に考え、協力しながら進めるというスタイルが印象的でした。

自然素材や再生可能素材を活用した建築、そして災害支援における仮設建築の取り組みなど、
人と環境への深い配慮が込められたその建築思想に、心から感銘を受けました。


今回のセミナーを通して、建築というフィールドにおいて、
「自然」「素材」「人」のつながりをどのように設計へと落とし込むのか――
そんな本質的なテーマに触れることができ、とても有意義な一日となりました。

特に印象的だったのは、お二人が共通して掲げていた、
~“建築において廃棄物を出さない”~という理念。
その姿勢に、強く心を動かされました。

坂茂氏 と 三分一博志氏

また機会があれば、こうした貴重な体験をどんどんご紹介していきたいと思います!

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